新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまで以上にオフィスの衛生管理は重視されることとなりました。中でも、設備や備品、手指などの消毒は感染対策の有効な手段として注目されています。この記事では、オフィスでの消毒作業について、実施するべき場所や方法を中心に詳しく紹介します。安全なオフィス環境を維持する手助けとして、ぜひ参考にしてください。
アフターコロナのオフィス消毒
2020年より世界的に流行した新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響は、私たちの生活や働き方に大きな変化をもたらしました。その中で衛生管理が注目されるようになり、多くの企業において職場内のウイルス対策として消毒が実施されました。
しかし、コロナ禍が落ち着いて「アフターコロナ」の時代が到来した後も、オフィスにおける衛生管理の重要性は変わりません。感染症の対策はもちろんのこと、従業員が安心して働ける環境を整えるためにも、引き続き消毒を定期的に実施することが求められています。企業は従業員の安全と健康を守る責任を果たすべく、オフィスの管理に努めましょう。
オフィスで消毒すべき場所
オフィス空間
オフィスは、従業員が日々長時間を過ごす場所です。仕事をするためのデスクやミーティングスペース、リフレッシュエリアなど、さまざまな空間があります。これらの空間は人が密集しやすいことから、感染症の感染リスクが高まります。多くの人が出入りするオフィス環境では、特に消毒を重点的に行わなければなりません。
特に昼食をデスクで摂る従業員がいる場合、消毒を徹底的に行う必要があります。オフィス内でマスク着用を義務付けていたとしても、食事中はマスクを外すため、感染リスクが高まります。食事前後の手指消毒や、食事した後のデスク周辺の清掃と消毒は欠かせません。
トイレ
オフィスをはじめとする公共のトイレは、感染リスクが高い場所のひとつです。多くの人が利用するため、便や嘔吐物などに含まれる病原体が水滴や飛沫とともに広まる可能性があります。そのため、トイレの消毒は非常に重要です。便座はもちろんのこと、手が直接触れることの多い箇所も重点的に消毒する必要があります。ドアノブやトイレットペーパーのホルダー、水洗レバー、ソープディスペンサー、洗面台などが該当します。
外部と接触する場所
エントランスやエレベーターなど、外部の人と接触する共用エリアは特に注意が必要です。これらのエリアは不特定多数の人々が行き交うため、感染リスクが高くなります。接触感染を防ぎ、オフィス内にウイルスを持ち込まないようにするためには、物体表面を常に清潔に保たなければなりません。外部の人々が触れる可能性のある場所や物、たとえばエントランスのドアノブやエレベーターのボタンなどは、定期的に消毒することが重要です。
手が触れる場所
オフィス内には、自動販売機やエレベーターのボタン、ドアノブなど、人々が頻繁に触れる場所があります。これらは直接手が触れることで感染が広がる可能性があるため、定期的に消毒する必要があります。また、感染症対策で設置したアクリル板のパーティションやビニールカーテンなども清潔に保たなければなりません。物に付着したウイルスは生存期間が長いため、こまめに消毒をすることが重要です。
消毒液の選び方
消毒液は用途別にさまざまな種類があります。たとえば手指消毒と物の消毒とでは必要とされる特性が異なるため、それぞれの目的に適した消毒液を選ばなければなりません。特に手指消毒に使用する消毒液は肌に直接触れるため、人体に対しての安全性が確認されているものを選ぶ必要があります。
消毒液の使用にあたっては、濃度も重要な要素です。業務用の消毒液には希釈して使用するものが多くあります。適切な濃度で使用しなければ、消毒液の効果は十分に発揮されません。製品のラベルの記載を読んで確認することを心がけましょう。
また、使用期限が過ぎた消毒液は十分な効果を得られません。定期的にチェックし、使用期限が過ぎた製品は使用を中止するようにしましょう。
場所ごとの効果的な消毒方法
オフィス空間の消毒方法
オフィス空間の消毒は、人々が共有する作業空間を清潔で安全な状態に保つための重要な作業です。オフィス内にはさまざまな種類の設備や機器が存在しますので、それぞれ適切な消毒方法が異なります。
とくに電子機器の場合、消毒液を直接吹きかけると故障の原因となる可能性があります。そのため、消毒液をまず布などに含ませた後で機器の表面を拭くようにしましょう。ウェブカメラなどのレンズを装備した機器は、レンズのコーティングを保護するため、アルコールや水を使わずに柔らかい布で乾拭きしてください。
また、定期的に換気することも感染症対策に有効です。定期的に窓を開けて新鮮な空気を取り込むことを忘れないようにしましょう。
オフィス内の消毒には、主に次亜塩素酸系消毒液やアルコール消毒液が用いられます。適切な消毒液を選び、定期的にオフィス空間の消毒を行うことで、健康的で安全な職場環境を保つことが可能です。
トイレの消毒方法
トイレは日々多くの人が利用する場所であるため、特に丁寧に消毒作業を行うことが重要です。便器をはじめ、手すり、ペーパーホルダー、水洗レバー、ドアノブなど、手が触れる場所をくまなく次亜塩素酸系消毒液で消毒しましょう。
消毒作業は、きれいな場所や手で触れる場所から開始し、汚れている場所へと順番に移動していくことが基本です。すでに汚れている部分から消毒を始めると、清潔な部分に汚れを広げてしまいかねません。また、一度使用したクリーニング用具は、他の場所にウイルスを拡散させないために、再使用せず廃棄するようにしてください。トイレの消毒作業時には手袋の使用が推奨されます。手に直接消毒液が触れることによる皮膚への影響だけでなく、感染症の拡大を防ぐ意味でも必要です。
さらに、普段のトイレ使用時には便座の蓋を閉じて水を流すことも、感染リスクの低減策として有効です。
外部と接触する場所の消毒方法
エントランスやエレベーターなどの場所は、不特定多数の人々が利用する可能性があるため、手指消毒液を設置して、外部からオフィス内部へウイルスが持ち込まれないようにしましょう。
また、テーブルや椅子など、人々が頻繁に触れる可能性がある設備に対しては、定期的に消毒を行う必要があります。カーペットやフローリングの床面はチリやホコリなどの汚れがたまりやすく、そこに細菌やウイルスが付着することで感染が広がることが懸念されます。そのため、消毒の前に清掃を行うことを心がけましょう。
手が触れる場所の消毒方法
オフィス内で人々が頻繁に手を触れる場所は、接触による感染拡大のリスクがあるため、定期的かつ徹底した消毒作業が求められます。消毒液の種類は、主に次亜塩素酸系やアルコールを用いますが、対象となる表面の素材によっては消毒液の種類や使用方法が異なる場合があります。たとえば、木製のドアに消毒液が付着すると変色の恐れがあるため、ドアノブ部分を消毒する際にはスプレーで直接吹きかけないようにしましょう。
オフィス消毒のポイント
消毒をしやすい環境をつくる
感染症予防には定期的な消毒が不可欠ですが、習慣化するには消毒しやすい環境を構築することが重要です。手の届く範囲に消毒液を置いたり、使い捨てタイプの消毒シートを頻繁な利用が想定される場所に常備したりすることで、消毒が行いやすくなります。
また、消毒作業を行う際には通常業務に支障が出ないよう、また、従業員に負担がかからないように配慮することも重要です。消毒作業を習慣化して清潔な環境を保つことで、感染予防を維持しながら従業員が快適に働けるようになるでしょう。
ルールを制定する
オフィスにおける感染症予防として消毒作業を効果的に推進するためには、明確なルールを制定することが必要です。
まず、定期的に消毒を行う時間を決めましょう。これにより、業務時間に影響を与えることなく、適切な頻度で確実に消毒作業を実施できます。
次に、どのような場合に消毒をするか、といったルールを制定しましょう。たとえば「アクリル板は誰かが触れたらすぐに消毒する」「会議後にテーブルや椅子を消毒する」などのルールが考えられます。
また、消毒する場所をリストアップし、チェックリストを作成することもおすすめです。これにより、作業が漏れることなく、システム的に実施できるようになります。チェックリストは定期的に更新し、変化するオフィス環境に対応するようにしましょう。
これらのルールは社内で共有し、全員が理解して実行することが重要です。従業員が一丸となって取り組むことで、効果的な感染症対策として消毒作業を行えるようになります。
オフィス消毒はプロのダイオーズにおまかせ
オフィスでの消毒作業は感染症予防に欠かせない重要な取り組みですが、従業員にとっては負担となりがちです。また、適切な消毒液の選択や使用方法、頻度などを管理する必要があり、これらを全て自社で行うことは容易ではありません。そのような場合、専門業者に作業を依頼することをおすすめします。
オフィスサービスのダイオーズは、オフィス環境に適した清掃・除菌サービスを提供しています。確かな知識と技術を持つプロがオフィスの清掃と除菌を行うことで、オフィス環境をクリーンに整えて従業員の安全と健康を保ちます。これにより、従業員の負担軽減も図れます。
また、除菌機能のある空気清浄機や、手をかざすだけで自動的に噴霧するアルコールディスペンサーなどのレンタルも実施しています。感染症リスクの低い清潔なオフィス環境を維持するためにも、ぜひ利用を検討してはいかがでしょうか。
まとめ
オフィスにおいて各種感染症のリスクを低減するには、衛生管理の一環として消毒作業が有効です。オフィス空間をはじめトイレやエントランスなど、感染リスクが高い場所を重点的に消毒します。場所や用途に適した消毒液を使用し、適切な方法で消毒を実施しなければなりません。従業員の負担にならないよう気を付けつつ、オフィスを清潔に保つことが重要です。