きれいに磨かれた窓ガラスは見ていて気持ちがよいものですが、地上からはるか上にある高層ビルの窓ガラスの窓拭きは、どのように行われているのでしょうか。高層ビルの窓拭きは、見た目の美しさや窓ガラスの品質保持のために定期的に行われており、専門の業者に依頼するのが一般的です。
この記事では、高層ビルの窓拭き作業の方法や料金相場について解説します。
高層ビルの窓拭きとは
高層ビルの窓拭きとは、5階建て以上のビルやマンションの窓を、ブランコやゴンドラ、高所作業車などを使って清掃する作業のことです。非常に高い場所での作業となるので、一般の清掃業者では作業できません。そのため、ビルのオーナーや管理人が専門業者に依頼し、窓の状態やビルの高さなどを確認したうえで安全に配慮しながら行われます。
高層ビルの窓拭きを行う頻度
一般的には窓ガラスの清掃は2か月に1度程度の頻度で行います。定期的に窓拭きを行うことで見た目を美しく保つことができ、窓ガラスの劣化の予防も可能です。
ただし、場所によってはもっと頻繁に窓拭きを行う場合もあります。例えば、車の通りの多い場所では砂やホコリ、排出ガスなどですぐに窓ガラスが汚れてしまうため、1か月に1度程度の窓拭きが必要でしょう。
高層ビルの窓拭きを行う重要性
雨風や紫外線、排出ガスなどにさらされている窓ガラスをそのままにしておくと、汚れが落ちにくくなるほか、老朽化が進む原因にもなりかねません。窓ガラスを長持ちさせるためにも、窓拭きは非常に重要なのです。
窓拭きを怠ってしまうと、場合によっては窓ガラスを交換しなければならなくなるのでご注意ください。
高層ビルの窓拭き方法
高層ビルの窓拭きにはさまざまな方法がありますので、現地調査をしたうえで、どの方法で行うか決定することが大切です。
- ロープでの作業
- ゴンドラでの作業
- 足場での作業
- 高所作業車での作業
実際に行われる窓拭きの方法について、以下で詳しく見ていきましょう。
ロープでの作業
屋上からロープを降ろし、ブランコを取り付けて窓拭きを行います。比較的コストが低く、準備時間もかからないため、短時間で窓拭きを終わらせることが可能です。
主に5〜10階建てのオフィスビルで採用される方法であり、10階以上の高層ビルでは安全面の観点からロープでの作業はできません。
ゴンドラでの作業
屋上からゴンドラを降ろし、2名1組で窓拭き作業を行います。使われるのは主に高層ビルで、前もって清掃用のゴンドラを備え付けている高層ビルも珍しくありません。作業前にはゴンドラの安全チェックが必須となっており、作業時間は長めです。
足場での作業
ローリングタワーという足場を設置して窓拭きを行います。この方法では、足場の設置には時間と費用がかかり、15mを超えるような高所の窓拭きには対応できない等の点がデメリットです。
しかし、最近では移動式の足場なども登場し、吹き抜けになった場所など、ハシゴやブランコを使うことができない場所の窓拭きで重宝されている作業方法です。
高所作業車での作業
ゴンドラの付いたハシゴを備え付けた高所作業車を使い、手が届かない場所の窓拭きを行います。ロープやゴンドラでは難しい、複雑な形状の外壁や窓にも対応が可能です。
また、安定感があるので、重たい清掃器具や道具をもって高い場所まで行くことができます。
高層ビルの窓拭きの料金相場
高層ビルの窓拭きは、大体100m²あたり2〜3万円が目安です。作業方法やガラスの種類、清掃員の数など、さまざまな理由で料金は異なります。リピートして依頼することで費用を安く抑えることができるので、年間で契約をするのがおすすめです。
業者の中には、基本料金を安く設定しておいて追加料金を多く発生させるような悪徳業者も存在します。作業内容や窓拭きの回数などを確認し、見積もりを出してもらってから依頼する業者を決めましょう。
高層ビルの窓拭きの流れ
業者に依頼した際、行われる高層ビルの窓拭きのステップは、主に4つです。
- 現地調査
- 作業準備
- 清掃
- 作業完了報告
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
1.現地調査
窓拭きを行うビルを実際に調査し、どのような方法で窓拭きを行うのかを決定します。ビルの高さや環境などを考慮し、最適な窓拭きの方法や必要な用具のほか、必要な清掃員の数、おおよその作業時間を出して見積もり作成を依頼しましょう。
実際の清掃方法についても十分に説明を受けることが大切です。 また、窓拭き作業を行うときに驚かれることがないよう、ビルに入居しているテナントや会社などへの事前連絡も忘れずに行う必要があります。
2.作業準備
窓拭きの作業中は汚水が下に落ちる可能性があるため、ビルの下を歩行者が通らないよう作業エリアを確保しなければなりません。道路使用許可の申請が必要な場合には、管轄の警察署へ申請書を提出しておきましょう。また、人通りが多い場合や作業時間が長くなるような場合には保安員を配置して、歩行者やビルを使用する人の安全を守ることが不可欠です。
作業の事前準備ができたら、ロープやゴンドラなど、実際に窓拭きに必要な準備を行ってください。
3.清掃
実際の清掃作業には、窓ガラス専用のモップや洗剤を使用して行います。洗剤が飛び散って外壁を汚すことがないように注意しながら窓ガラスの汚れを落とし、その後、スクイージーと呼ばれるワイパーを使って汚水を切り取りっていく流れです。水滴が残ると汚れが取りきれず、乾いたときにうろこ状の跡が残ってしまうので注意しなければなりません。仕上げに窓ガラス専用のタオルで磨きます。
窓ガラスの外側の次は、内側の窓拭きです。スムーズに作業ができるように、事前に清掃する部屋や時間帯を連絡しておきます。それでも仕事中の人がいる中で窓拭きをするケースもあるので、仕事の邪魔をしないように注意しながら作業を行いましょう。
4.作業完了報告
窓拭きの作業が完了した後は、片付けをして仕上がりを確認したうえで依頼主へ完了報告をします。依頼主にもチェックをしてもらって、特に問題がなければ作業は終了です。
高層ビルの窓拭き業者の選び方のポイント
安心して任せられる業者を選ぶ際に注目したいのが、「安全」を意識しているかどうかです。実際に窓拭きを行う作業員はもちろん、ビルの入居者や作業中に下を通る歩行者の安全に配慮している業者を選びましょう。チェックすべき選び方のポイントは以下の通りです。
- ビルの窓拭き作業の実績があるか
- 無料見積もりを出してくれるか
- 無料相談を受けてくれるか
- 口コミや評判は悪くないか
- 清掃内容について詳しくホームページに記載されているか
- 費用が安すぎないか
- 賠償保険に加入しているか
- 天候に合わせたスケジュールに柔軟な対応をしてくれるか
また、見積もりに作業内容や必要な費用について、わかりやすく明確に記載されているかどうかも重要です。悪徳業者の中には、本来であれば必要な作業を省略していたり、不当に高額な費用を請求していたりするケースもあります。
信頼できない業者と年間契約を結んでしまった場合、後々トラブルにつながることもあるので、慎重に検討してから契約するのが賢明です。
まとめ
高層ビルの窓拭きは定期的に行うことで、窓ガラスをきれいに保つことができます。窓ガラスの寿命を長くするためにも、2か月に1回を目安に行いましょう。
高い場所での窓拭きは簡単な作業ではないので、信頼できる業者に依頼するのが賢明です。今回ご紹介した内容を参考にしていただき、スムーズに窓拭き作業を進めることをおすすめします。
