コーヒーの味の種類には、苦味や酸味、香り、コクなどがあります。そして、コーヒーの好みを分ける重要な要素のひとつが「甘み」です。甘みのあるコーヒーが好きという方もいれば、苦味の強いコーヒーを好む方もいるでしょう。オフィスコーヒーを導入する場合は、どちらにも対応できるよう、幅広いバリエーションをそろえるのがおすすめです。今回は、コーヒーのもつ甘みの正体を考えます。

コーヒーの甘みとは？

コーヒーのもつ「甘み」といっても、砂糖のような甘さではありません。原料であるコーヒーチェリーがもつ、自然の甘みを指します。お米を何度も噛んだときのほのかな甘みに例えられることもあるようです。

そもそも、コーヒーの甘みは生産におけるどの段階で発生するのでしょうか。

コーヒーの甘みは焙煎によって生じる

コーヒーの甘みは、生豆に火を入れる焙煎によって生じます。焙煎は、基本的に苦味を作り出す作業です。コーヒーは、焙煎を進めることで酸味が生じ、それが甘みに変わり最終的には苦味へと変化します。

プロの焙煎士は、甘みがギリギリ残る焙煎度合いを見極めて仕上げます。つまり、私たちがコーヒーを飲んだときに感じるほのかな甘みは、プロの焙煎士が長年かけて習得した技術の賜物なのです。

甘みの強いコーヒーを選ぶためのポイント

コーヒーの甘みは、好みを左右する重要な要素です。コーヒーに砂糖は入れたくないが、自然な甘みをもつコーヒーを飲みたいと思っている方は少なくありません。こちらでは、甘みの強いコーヒーを選ぶためのポイントをご紹介します。

焙煎度合いによる違い

コーヒー豆の焙煎度合いは、大きく分けて8つに分類されています。そして、コーヒーの甘みも焙煎度合いによって変化します。具体的には、浅煎りの豆ほど酸味が中心であり、甘みやコクはあまり期待できません。中煎りといわれるシティローストや、深煎りのフルシティローストの段階になると、苦味やコクに加えてほど良い甘みを感じられるでしょう。

コーヒー豆の焙煎度合いと味の変化については、以下の記事でも詳しく紹介しています。気になる方は、ぜひご覧ください。

COFFEE TOPICSオフィスコーヒー情報：「オフィスコーヒーにも欠かせない！コーヒー豆の焙煎とは」

お湯の温度

コーヒーのもつ甘みを引き出すには、抽出時のお湯の温度も重要です。一般的なコーヒーは、沸騰直前の90～95℃程度のお湯で抽出するのが良いとされています。ただ、お湯の温度が高いと苦味成分を抽出しやすくなるため、甘みのあるコーヒーにしたい場合は温度を多少下げるのがおすすめです。

具体的には、お湯の温度を85℃以下にすると苦味成分の抽出を最小限に抑えられ、甘みを引き出しやすいといわれています。ご自身でコーヒーを淹れる際は、お湯の温度にも気を配りましょう。

抽出時間

お湯を注いだ際の抽出時間も、コーヒーの甘みに影響を与えます。抽出時間を長くすると、コーヒー豆のもつクロロゲン酸を多く含み、酸味や渋味の強いコーヒーになります。一方、抽出時間を比較的短くすると、ほのかな甘みを感じられるコーヒーになるでしょう。好みの甘みを引き出すには、何度も調節しながら淹れることが大切です。

甘みが強いといわれるコーヒー豆

コーヒー豆の品種によっても、コーヒーの甘みの強弱は異なります。甘みが強いといわれるコーヒーの品種とその特徴を下記の表にまとめました。

甘みの強いコーヒーの品種	特徴
コロナ（コロンビア）	・「チョコレートバニラ」と呼ばれるほど甘い香りが特徴 ・ティピカ種のみでつくられ、他の種とは一切ブレンドされていない珍しい品種
ブルーマウンテン	・甘みだけでなく、香りやコクなど、あらゆる面で世界最高のコーヒーと称される品種 ・他のコーヒーが麻袋に詰めて輸出されるなか、ブルーマウンテンは樽詰めで輸出される
コナ ファンシー（ハワイ）	・ブルーマウンテンと同じ苗木から育った、コクと甘みの強い品種 ・理想的な自然環境が整ったハワイ島西部で生産されている
カトレア（コロンビア）	・ティピカ種のもつ独特な甘みやコクを感じられる品種 ・コーヒーらしい味のなかにもしっかりと甘さを感じることができる

コーヒーのもつ甘みは、品種によって大きく異なります。上記の表を参考に、好みの豆を探してみてください。

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