オフィスコーヒーを導入すると、積極的に利用する方と利用しない方に分かれるといった声を耳にします。その原因はコーヒーの味の好みにあるかもしれません。とくに、コーヒーの苦味は豆の産地や品種ごとに程度が大きく異なるため、従業員の好みに応じて選択する必要があるでしょう。今回は、コーヒーの苦味に関する知識をご提供します。苦味の強さに応じたおすすめのコーヒー豆もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

コーヒーの苦味とは何か？

コーヒーのもつ「苦味」は、有無や程度によって好みが分かれるほど、味を決める重要な要素のひとつです。そもそも、コーヒーの苦味とはどのようなものなのでしょうか。こちらでは、コーヒーの苦味について解説します。

コーヒーの味を決める苦味

コーヒーの味を決める要素には、さまざまなものがあります。甘さや酸味などはコーヒーを選ぶ際の参考にもするでしょう。そして、バリスタやロースターといったコーヒーのプロがコーヒーの味を語る際、必ず用いられるのが「フレーバーホイール」です。特定の食品から感じられる味の特徴を円形にまとめたもので、コーヒーの味はフレーバーホイールに載っている単語で語られます。

しかし、フレーバーホイールに苦味の項目はありません。コーヒーの味をフレーバーホイールに従って評価すると、苦味は評価軸とならないのです。ただ、私たちはコーヒー豆の産地や焙煎度合いによって苦味の強弱を感じており、それをもとにコーヒーの味を評価することも珍しくありません。コーヒーの苦味とは、評価軸にはないものの、コーヒーの印象を左右する不思議な要素といえるでしょう。

オフィスコーヒーがもつ2種類の苦味

コーヒーには、2種類の苦味があることをご存知でしょうか。こちらでは、それぞれの違いについてご紹介します。

生豆に元来含まれている苦味

ひとつ目は、焙煎する前のコーヒー豆、生豆に元来含まれている苦味です。コーヒーは、コーヒーチェリーと呼ばれる果実の種を乾燥させた生豆によって作られます。生豆を焙煎することで、普段見慣れたこげ茶色のコーヒー豆となるのです。

コーヒーの生豆には、焙煎後に独特な苦味を生み出すもととなる成分が多く含まれています。「もととなる成分」というのがポイントであり、生豆を直接食べてもほとんど苦味は感じられません。コーヒーを飲んだときに感じる苦味は、コーヒー豆を焙煎する過程で生じます。

焙煎によって生じる苦味

前述の通り、私たちがコーヒーを飲んだときに感じる苦味は、焙煎によって生じた苦味です。焙煎とは、生のコーヒー豆に火を入れ、茶褐色や黒褐色の姿にする作業を指します。焙煎によって化学反応が起き、私たちが見慣れたコーヒー豆の姿へと変化するのです。焙煎については、以下の記事で詳しく解説しています。

※ダイオーズオフィスコーヒー情報：「オフィスコーヒーにも欠かせない！コーヒー豆の焙煎とは」（https://www.daiohs.co.jp/coffee/article/archives/1480/）

焙煎による苦味は、焼肉をした際の「焦げ」をイメージするとわかりやすいでしょう。見た目にはわかりにくいものの、コーヒー豆でも同様の現象が起きています。焦げと聞くとマイナスのイメージを持ってしまいがちですが、焦げた豆の苦味や香りもコーヒーの味を決める重要な要素のひとつです。

焦げによる苦味は、焙煎度合いによって程度が変化します。焙煎度合いを深くすればするほど苦味成分が増し、酸味や香りが感じにくくなります。焙煎を浅くすると苦味が弱くなる分、酸味を感じやすくなるでしょう。

苦味を重視する方におすすめのコーヒー豆

上記の通り、焙煎度合いに応じてコーヒー豆を選ぶ場合、苦味を感じたい方は深煎りの豆、苦味が苦手な方は浅煎りの豆を選ぶのがおすすめです。ただし、コーヒーの苦味は豆の産地や銘柄でも大きな違いが生まれます。こちらでは、苦味の程度に応じたおすすめのコーヒー豆をご紹介します。

苦味を重視するならマンデリンがおすすめ！

苦味の強いコーヒーを好む場合は、インドネシア産の「マンデリン」がおすすめです。マンデリンは酸味がほとんどなく、強い苦味と深いコクを感じられます。かつては日本にも多く流通しており、ブルーマウンテンが登場するまでは世界一のコーヒー豆と呼ばれることもありました。

強い苦味やコクを感じられるよう、喫茶店やカフェのケーキセットなどで合わせることが多いようです。

バランスの取れたブラジル産コーヒー豆

あまりコーヒーを飲み慣れていない方や強すぎる苦味が苦手な方は、バランスのとれたブラジル産のコーヒー豆が良いでしょう。苦味と酸味のバランスが絶妙のため、飲み慣れていない方でも飲みやすいコーヒーです。

同じく、コロンビア産の「エメラルドマウンテン」も比較的バランスがとれていて人気が高い傾向にあります。