オフィスで美味しい紅茶を味わう手段として、ティーサーバーは一般的な方法となりつつあります。近年は、ラインナップの充実したティーサーバーも多く、紅茶の種類を理解しておかないと十分に楽しめません。そこで今回は、紅茶の種類や味わいの違いをご紹介します。
産地ごとの紅茶の種類と味わいの違い
紅茶の味は、茶葉の産地によって大きく異なります。収穫時期も産地ごとに異なるため、好みの紅茶がある場合は旬の時期を覚えておくと便利です。こちらでは、代表的な産地の紅茶について、味わいの違いを解説します。
スリランカ
スリランカは、世界でも有数の紅茶の産地です。スリランカで作られている紅茶の総称を「セイロン」と呼び、商標登録されています。セイロンにはさまざまな品種があり、代表的なものの特徴を下記の表にまとめました。
品種 | 特徴 |
ディンブラ | ・セイロン茶の代表的存在 ・さわやかな風味と香りが特徴的で、ほのかな苦味を感じられる |
ウバ | ・強い香りとクセのある苦味が特徴 ・標高1,000mを超える高所でのみ栽培されている |
キャンディ | ・セイロン茶の元祖とも呼ばれる存在 ・とても飲みやすく毎日飲んでも飽きない口あたり |
ヌワラ・エリヤ | ・強めの味のなかに感じる優しい甘みが特徴的 ・ストレートティーとして味わうことが多い |
インド
インドもスリランカと並ぶ紅茶の一大産地です。とくに、ダージリンやアッサムなどの品種は、現在世界中で愛されている紅茶といっても過言ではありません。それぞれの特徴については、下記の表でご確認ください。
品種 | ・さわやかな香りと上品な渋味が特徴的でファンも多い品種 |
ダージリン | ・収穫期が年3回(1stフラッシュ、2ndフラッシュ、オータムナル)あり、それぞれ仕上がりが異なる |
アッサム | ・標高500m以下でのみ栽培される珍しい品種 ・深いコクが特徴で、ミルクティーとして飲まれることが多い |
その他
紅茶の産地には、スリランカやインドの他にも中国、ケニア、インドネシアなどが有名です。中国のキーマン(キームン、キーモン)や、インドネシアのジャワなどは聞いたことのある方も多いでしょう。
キーマンは、中国南東部の安徽省で栽培されており、標高1,500mのエリアでのみ作られているハイグロウンティーです。独特な燻製の香りが特徴で、ミルクティーで飲む方が多い傾向にあります。
ジャワは、インドネシアのジャワ島で栽培されており、味・香りともに軽いのが特徴です。飲みやすいため水の代わりに飲む方も多く、流通量も比較的多い傾向にあります。
世界三大紅茶とは?
世界には、「三大紅茶」と呼ばれる品種が存在します。具体的には、ダージリン(インド)・ウバ(スリランカ)・キーマン(中国)の3つです。
ダージリンは、インドの最高級の品種ともいわれ、日本人好みの味わいをしています。マスカットに似たフルーティーな香りは、緑茶に例えられることもあります。
スリランカのウバは、特徴的な強い香りがあり、バラのようと評されることも珍しくありません。甘い香りだけでなく切れの良い渋味もあり、紅茶通に好まれる紅茶です。
中国のキーマンは、生産量の少ない希少な紅茶です。スモーキーな香りが特徴で、古くからイギリス人に好まれています。英国王室の皇太子殿下御用達の紅茶にもキーマンがブレンドされていたようです。出会ったら、ぜひ一度試してみてください。
飲み方で分ける紅茶の種類
品種についてあまり知らない方でも、紅茶をさまざまな飲み方で味わっていることは多いでしょう。こちらでは、紅茶の代表的な飲み方をご紹介します。オフィスティーサーバーでも味わえるものが多いため、興味を抱いたものがあれば、ぜひ試してみてください。
ストレートティー
茶葉から抽出した紅茶をそのまま味わう飲み方です。紅茶のもつ本来の味わいや香りを感じるには、ストレートティーで味わうのが良いでしょう。すっきりした味わいや香りの茶葉ほど、ストレートティーに適しています。
ミルクティー
ストレートティーにミルクを注いで味わう飲み方です。イギリスやインドなど、世界各国で楽しまれています。茶葉をミルクティーにする場合、ミルクの味に負けない風味が求められます。
レモンティー
ストレートティーにレモン果汁やスライスレモンを入れて味わう飲み方です。口あたりがさっぱりしているため、紅茶のなかでもレモンティーを好んで飲む方も少なくありません。アメリカがルーツという説もあります。
チャイ
通常より少ない水で紅茶を抽出し、そこにミルクを注いで煮た後、たっぷりの砂糖を加えて味わう飲み方です。もともとは、紅茶文化の根強いインドで、質の良くない茶葉を美味しく味わうための方法として考案されました。独特な風味と強い甘みは、人によって好みが分かれるでしょう。
ロシアンティー
ジャムをなめながら紅茶を味わう飲み方です。ロシアやウクライナ、ポーランドなどで好まれています。ジャムをなめるのではなく、紅茶にジャムを入れて味わうこともあるようです。