紅茶やお茶は、さまざまな成分が含まれているため、健康面からも注目されることの多い飲料です。ただ、実際にどのような成分が含まれているか理解している方は少ないでしょう。今回は、紅茶やお茶に含まれる成分を紹介し、それを摂取することで期待できる効果について解説します。
紅茶やお茶に含まれる成分
健康効果が高いとして、意識的に紅茶やお茶を飲んでいる方も少なくありません。実際に薬用として使用されていた過去もあるようです。こちらでは、紅茶やお茶に含まれる成分を簡単にご紹介します。
ポリフェノール
ポリフェノールは、紅茶やお茶の渋みの主成分です。紅茶やお茶には、タンニンの一種であるカテキンというポリフェノールが含まれています。カテキンは、さまざまな物質と結合し形を変えるのが特徴です。紅茶のもつきれいな茶褐色も、カテキンが酵素と結合し酸化することで生じます。
お茶の場合、カテキンの含有量はお茶の成長具合や場所によって変化します。3~4枚目の成熟した葉と比べて、若い芽には多くのカテキンが含まれており、その結果渋味も強くなるのです。また、光が当たらないように栽培されている玉露は、カテキンの生成が抑えられ、煎茶と比較して含有量が少ない傾向にあります。
カフェイン
カフェインは、紅茶やお茶の苦味成分です。水やアルコールなどに溶けやすい特徴があり、紅茶には2.5~5%前後含まれています。この含有量は、抽出後のコーヒーの半分程度です。
お茶に含まれるカフェインは、その種類によって大きく変化します。玉露には100gあたり160㎎のカフェインが含まれていますが、ウーロン茶には20㎎しか含まれていません。これは、茶葉のカフェインが若い芽に多く含まれ、成熟した芽では少なくなることに起因しています。
ビタミン、アミノ酸、無機成分
代表的な成分はポリフェノールやカフェインですが、紅茶やお茶にはその他にもビタミン、アミノ酸、無機成分などさまざまなものが含まれています。なかでも、紅茶やお茶の甘み・旨味成分を生み出しているアミノ酸は、私たちの味覚にも大きな影響を与えています。
紅茶やお茶を飲むことで期待できる効果
ティーサーバーを導入しているオフィスでは、紅茶やお茶の健康効果を期待して積極的に飲みたいところです。こちらでは、紅茶やお茶を飲むことで期待できる効果を解説します。
血糖値の上昇を抑制する
紅茶やお茶に含まれるポリフェノールには、糖の分解を抑制する効果があります。そのため、食事中や食後に紅茶やお茶を飲むことで、血糖値の急上昇を抑制する効果が期待できます。実際、空腹時にパンと水または紅茶を摂取してもらい血糖値を調べたところ、紅茶を飲んだグループは血糖値上昇が抑制されたという実験結果もあります。
脂肪の吸収を抑制する
紅茶やお茶に含まれるカフェインには、脂肪燃焼を促す効果があります。そのため、ダイエットの一環として紅茶やお茶を飲む方も少なくありません。実際、ラットを使用した実験では、紅茶を与えることで体重の増え方が2割少なくなるという結果も生じています。
動脈硬化の進行を抑える
今や現代病とまで呼ばれるようになった動脈硬化。血管内のコレステロールや脂肪が増加し、血栓ができやすい状態になっていることが原因とされています。
紅茶やお茶には、この血栓に有効な成分が含まれているという実験報告があります。とくに、紅茶と緑茶に注目が集まっており、今後さらなる実験が行われるでしょう。
リラックス効果
紅茶を飲んだ後の脳波を調べた実験報告もあります。それによると、紅茶を飲んだ後は精神的にリラックスしていることが認められました。さらに、紅茶の香り自体にリラックス効果があることも判明しており、慢性的な疲労を感じている方におすすめです。
紅茶やお茶の適量とは?
紅茶やお茶に含まれる成分は、過剰摂取すると副作用を招く可能性があります。こちらでは、飲み過ぎによる影響と、紅茶やお茶の1日あたりの適量についてご紹介します。
利尿作用
紅茶やお茶に含まれるカフェインには、利尿作用があります。飲みすぎると体内の水分が失われてしまうため、汗をかいたときのように、体が水分を欲しているタイミングには飲むべきではありません。
内臓や消化器官への負担
カフェインを摂取し過ぎると、消化器官へ負担がかかることも判明しています。下痢や吐き気、嘔吐などの症状が出ることもあるようです。お腹の調子が良くないときは、カフェインを含む紅茶やお茶は控えたほうが良いでしょう。
紅茶は1日5杯、お茶は1日10杯以内を目安に
紅茶やお茶は、適量摂取することでさまざまな健康効果を期待できます。そこで、紅茶であれば1日5杯、お茶は1日10杯以内を目安に飲むのがおすすめです。節度をもって適量の範囲内で味わいましょう。